オリーブオイルの歴史
オリーブオイルは世界最古の自然材料です。その歴史は8000年にさかのぼり、当時シリア・イランなどの中東地域に初期の樹木が栽培されていました。
オリーブオイルはワインのように様々なフレーバー、色、アロマがあり、土壌の性格やオリーブが栽培される気候、使用されるオリーブの種などによって変化します。
オリーブオイルは自然な風味豊富で調理やサラダ用オイルに使われます。ブランドによってはぴり辛いとか、マイルド(繊細で軽くほとんどバターのような味わい)、準フルーツティー、フルーティー、ピジコ(ぴりっとしたアクセントのある)、質朴な(ボリューム感のあるオイル)、甘い、などと表現されます。
色も繊細なイグサ色からエメラルドグリーンまで変化します。暗く濃い色はフルーティーな味わいのサインで、明るい色はもっとナッツのようなフレーバーを持っていることを示します。必ずそうというわけではないのですが、その理由としてオイルがよく数種のオリーブとブレンドされていることがあります。ワインのように、オリーブオイルにもビンテージがあり、色やフレーバーに影響する成長環境の変化に起因します。
オリーブオイルによって質、発煙点、色、フレーバー、アロマが違います。オリーブオイルにはそれぞれ目的があるのです。本物のエキストラバージンオリーブオイルは豊かで深いフレーバーを持ち、オリーブのエッセンスそのものをとらえることができますが、すべての料理に合うわけではありません。サラダや冷たい料理のためにとっておくか、温かい料理のうえから食事直前にふりかけて、豊かなフレーバーを最大限に楽しむのがいいでしょう。パスタなどの料理はニンニクなどと使うと、材料として際立ちます。マイルドなオイルは、他の材料にフレーバーが負てもいいときに使いましょう。従来軽いので、食材のフレーバーがいきわたります。ソテーや炒め物に好まれます。
情報源:Louise Steele著The Mediterranean Olive Oil Cook Book
オリーブオイルの定義と種類
オリーブオイルとはオリーブの木の果実のみから得られた油です。再エステル化過程でえられた油またはその他いかなる混合物を含みません。。以下の名称および定義に従って販売されています。
バージンオリーブ油は、オリーブの木の果実から、油中に変化をもたらさない条件、特に熱的条件下で機械的または他の物理的手段によってのみ得られたものであり、洗浄、デカンテーション以外の処理を受けていないもの、遠心分離および濾過が含まれる。
バージンオリーブオイルもまたオリーブの木の果実のみから得られた油です。製法は油に変化をもたらさない一定の条件、特に温度面での条件下で、洗浄・デカンテーション・遠心分離・濾過以外の処理は行われません。
バージンオリーブは以下を含みます。
エキストラバージンオリーブオイル:
オレイン酸という酸を含むオリーブオイル。オレイン酸は100gのうち0.8g以下など、様々な基準を満たしたオイルです。
バージンオリーブオイル:
オレイン酸という酸を含むオリーブオイル。オレイン酸は100gのうち2g以下など、様々な基準を満たしたオイルです。
オーディナリーバージンオリーブオイル:
オレイン酸は100gのうち3.3g以下など、様々な基準を満たしたオイルです。
そのままでの使用に適さないバージンオリーブオイルは、100gのうち3.3gを超えるオレイン酸を含むもの、または感覚刺激特性を持つものなど同カテゴリーの基準1に対応するものです。精製するか技術的使用に適しています。
精製オリーブオイル:
グリセリド構造を変化させない精製法で抽出されたオリーブオイル。オレイン酸という酸を含むオリーブオイル。オレイン酸は100gのうち0.3g以下など、同カテゴリーの様々な基準2を満たしたオイルです。
オリーブオイル:
精製オリーブオイルとバージンオリーブオイルの混合からなるオリーブオイル。オレイン酸という酸を含むオリーブオイルでオレイン酸は100gのうち1g以下など、同カテゴリーの様々な基準3を満たしたオイルです。
オリーブポマースオイル:
溶媒またはその他物理的手法でオリーブの搾りかすから得られるオイル。再エステル化過程でえられた油またはその他いかなる混合物を含みません。以下の名称および定義に従って販売されています。
オリーブポマースオイル:溶媒またはその他物理的手法でオリーブの搾りかすから得られるオイル。再エステル化過程でえられた油またはその他いかなる混合物を含みません。以下の名称および定義に従って販売されています。
粗製オリーブポマースオイル:粗製オリーブポマースオイルからグリセリド構造を変化させない精製メソッドで得られるオイルです。100gのうち0.3g以下のオレイン酸という酸を含み、同カテゴリーの基準4に対応しています。
オリーブポマースオイル:精製オリーブポマースオイルとバージンオリーブオイルの混合からなるオイルでそのまま使用できます。100gのうち1g以下など同カテゴリーの基準5に対応しています。
1.この名称では販売国に許可があれば消費者に直接売ることのみできます。許可がない場合、同製品の名称は国の法規定に基づきます。
2.この名称では販売国に許可があれば消費者に直接売ることのみできます。
3.販売国はさらに具体的な名称が必要なことがあります。
4.この名称では販売国に許可があれば消費者に直接売ることのみできます。
5.販売国はさらに具体的な名称が必要なことがあります。
情報源: International Olive Council
栄養成分表
オリーブ・オイル | |
100gあたりの栄養価 | |
エネルギー | 3,701 kJ (885 kcal) |
炭水化物 | 0 g |
脂肪 | 100 g |
飽和脂肪 | 14 g |
一価不飽和脂肪 | 73 g |
多不飽和脂肪 | 11 g |
オメガ3 脂肪酸 | <1.5 g |
オメガ6 脂肪酸 | 3.5-21 g |
タンパク質 | 0 g |
ビタミンE | 14 mg (93%) |
ビタミンK | 62 μg (59%) |
100gのオリーブオイルは109mlです |
情報源: Wikipedia
オリーブオイル中に存在するポリフェノール化合物
最近の生体外研究では、オレウロペインを含むオリーブオイルの中に存在するポリフェノールは単球細胞の血管内膜への接着を阻害することがわかっています。これはアテローム性動脈硬化症の進行に関係する過程です。さらに、コレステロール値の高い人が飽和脂肪性のものを食習慣から外しオリーブオイルに変えたところ、総コレステロール値が平均13.4%、LDLコレステロール値は18%落ちました。ただし、こうした利益はオリーブオイルがその他脂肪の代わりに使用された場合のもので、ただ不健康な脂肪の多い食習慣にオリーブオイルを足した場合この限りではないようです。その他3つの研究(Valavandisら、Nasellaら、以下参考資料参照)によれば、こういったオリーブオイルの心臓の健康によい効果はその高い含量の一不飽和脂肪だけでなく、葉緑素、カロチノイドおよびポリフェノール化合物であるチロソール、ヒドロチロソール、オレウロペインなど豊富な濃縮抗酸化物質に由来するとのこと。オレウロペインは不純物除去能力があり、オリーブオイルのビタミンE(α-トコフェロール)も保ちます。アテネ大学のギリシャ人研究者らは、農業と食の化学ジャーナルで研究レポートを出していますが、これらの有益な栄養素すべてが地中海の食習慣の健康上の利点の理由になっていると考えています。この仮説は栄養ジャーナルで出されたイタリアの研究も支持しているものです。この研究では、科学者たちによって、オリーブオイルのフェノールが大変効果の高い抗酸化作用があることが示されています。エキストラバージンオリーブオイルのバイオフェノール、つまり対プロトカテク酸とオレウロペインのLDL酸化に対する保護効果は
- マクロファージ様細胞を含む培地に位置した際LDL酸化を完全に防ぐ。(動脈ではマクロファージがLDLを傷つけると動脈硬化が始まり、動脈の内層に浸潤してプラーク形成を開始する泡沫細胞の発達を開始する)
- 通常発生するLDLを傷つける恐れのある2種類の強力な酸化体の生成を抑制するため、酸化防止剤(フリーラジカルとも呼ばれる)を生成する強力な抗酸化物質であるグルタチオンの減少を防ぎます。
- グルタチオン:グルタチオンレダクターゼおよびグルタチオンペルオキシダーゼを含む2種のフリーラジカル脱揮酵素の保護活性を正常レベルに回復させる
- これらの双方のグルタチオン含有酵素の通常より高い生産及び活性を誘導する。
保存期間
オイルの酸価は品質を測るのに使うことができます。しかし、遊離脂肪酸の含有量が過剰に高く酸味がでるため、酸価は高すぎてはいけません。変色が起こる可能性もあります。オリーブオイルの酸価は2.0%以下でなければなりません。
オイルと脂肪は容易に悪臭を発生して腐ります。悪臭の発生は光、大気中の酸素と水分によって促進され、臭気や味の変化をもたらします。
最大保存期間は以下の通りです。
温度 | 最大保存期間 |
15度 | 4か月 |
涼しすぎない | 2-3年 |
オリーブオイルで炒め物
炒めは、地中海全体でヨーロッパ人、アジア人、アフリカ人であれ、キリスト教徒、ムスリムであれ共有されている特徴の一つです。食物の調理において存在している最も古い方法の一つです。
最近の調査では、特に生理学的観点から炒めは有機体に有益だということが示されています。そのため、炒めがあまり知られていなかった地域にも広がっていきました。炒めた食べ物が容易に消化できるか胃に重く残るかは、使われるオイル、オイルの温度、どのように炒められたかによって大きく左右されます。健康な被験者および胃十二指腸の問題(胃炎、潰瘍、肝臓および胆道の問題)を有する患者についての研究は、オリーブオイルで炒めた食品とこれらの病気との間には関係がないことを示しています。
サラダ油が炒め要に熱せられた際起こる変質はより早く、(種子油は)より脂肪酸を含み、オイルの初期酸性度も高くなります(自然抗酸化物質ビタミンEの含有量が高いともっと落ち着く)。この変質は温度と熱する時間、使用回数、炒め方(連続使用は変質が少ない)、炒める食べ物(オイリーな魚を炒めるときは特にオイルの多価不飽和酸を上昇させ分解を促進する)によって変わります。
オリーブオイルは揚げ物に最も適したオイルです。適温で、加熱し過ぎることなく、物質的な変化が起こらず、他のオイルよりもその栄養的価値を保ちます。それは抗酸化作用のみならず、そのハイレべルなオイリック酸の影響によるためです。その沸点(210℃)は実質的に揚げ物の適温(180℃)よりも高温です。とうもろこしやバターといった、それらのより低温で沸点に到達する脂肪では、この温度では決壊してしまい有毒物質を発生してしまいます。揚げ物にオリーブオイルを使用するもうひとつの利点は、食物の表面に殻を形成することであり、その作用はオイルの浸透を妨げ、風味をより良くします。オリーブオイルによる揚げ物は他の油による揚げ物よりも脂質が低く、オリーブオイルによる調理は体重管理により適していると言えます。オリーブオイルは故に、揚げ物に最も適した、最も軽く最も美味しい媒体です。
It goes further than other oils, and not only can it be re-used more often than others, it also increases in volume when reheated, so less is required for cooking and frying.
加熱されたオリーブオイルの消化性は数回の揚げ物への再使用によっても変化しません。
オリーブオイルは他の動物性・植物性オイルと混ぜるべきではなく、また通常4・5回以上の使用は推奨致しません。
揚げ物用に使用されるオイルは常に高温でなくてはなりません。; もし低温であれば食物が油を吸収してしまいます。
深く揚げる際は、鍋には必ずオイルを満たしておく必要があります。もし少量であれば、焦げが付く可能性が高まることになるのみならず、揚げ物の上部と基部が未調理になってしまう恐れもあります。
揚げる際の温度
加熱の場合、オリーブオイルは最も安定した脂質であり、それは高温での揚げ物によく耐え得ることを意味しています。その高い沸点(210℃)は揚げ物の理想的な温度(180℃)を優に上回っています。オリーブオイルの消化性は過熱の際に、さらには揚げ物への数回もの再使用にも影響を受けません。
温度 | 食物のタイプ |
中温 (130–145º C) | 高含水率: 野菜、じゃがいも、果物… |
高温(155– 170º C) | 加工バター、小麦粉、パン粉、表面殻の形成 |
超高温(175–190º C) | 少量、迅速な調理: 小魚、コロッケ |
出典: 国際オリーブ評議会